リボ払いの恐怖
経営者にとって、特に「出ていくお金」を管理していくのはとても大切なこと。この支出管理のできない管理者は、厳しい言い方ですが会社を経営する素質がないといってもいいでしょう。この支出管理にあたって、大きな武器となるのがクレジットカード支払いです。
ただ、一括払いや分割払いのなかでも、経営者には禁じ手とされているクレジットカードの返済方法があります。
それは「リボルビング払い(リボ払い)」です。
リボ払いとは?
リボ払いとは、毎月の返済額が一定に抑えられます。たとえば月額返済を10,000円に固定すると、毎月10,000円以上の支払いが求められることはありません。このため買い物がしやすく、支払計画をたてやすいという特徴があります。
一方でリボ払いにはデメリットも存在します。リボ払いを無計画に利用していくと支払残高が増えて、支払期間が延びたり、返済元本額と手数料額からなる毎月の返済額が増加したりという特徴があります。
また、リボ払いはクレジットカード会社によって細かい点の条件が異なり、複数のクレジットカードを使用している人には区別がつきずらいという点も指摘されています。
リボ払いの種類
一概にリボ払いといっても、実はいくつかの種類があります。
(1)事前登録型リボ
あらかじめ支払方法をリボ払いに登録しておき、クレジットカードを利用した買い物はすべてリボ払いになります。
(2)リボ専用カード
あらかじめカード自体がリボ払いに限定されているもの
(3)店頭選択型リボ
利用時に販売店の店頭などで利用者が支払方法をリボ払いに選択するもの
(4)あとからリボ変更
カード利用後、利用者の申し出により、リボ払いに変更するもの
リボ払いを適切に利用するためには、利用状況を随時確認することが大切です。月間5,000円と認識して利用していたのに、気がつくと月20,000円に膨れ上がっていた、という話されも耳にします。
経営者はなぜリボ払いをしてはいけないのか
それでは、経営者はなぜリボ払いをしてはいけないのでしょうか。それは記事の最初にも記載しましたが、支出を管理することが大切な経営者にとって、リボ払いのデメリットのひとつである「支出管理が難しい」というのは大きなデメリットであるからです。
当月、翌月のみならず、数カ月先の支出を見越して、それに対する収入を売上として確保することが経営者の責務です。その段階で15,000円のリボ払い月額返済額を、5,000円と誤認識しているとすると、社長のみならず社員や会社自体が路頭に迷ってしまいます。
ただ、社長のもうひとつの特徴は「適切なタイミングで適切な先行投資をする」こと。クレジットカードの利用自体は、経営者にとって特に咎められるものではありません。実際に事業用のクレジットカードやデビッドカードを作成し、活用する経営者も数多くいます。
手数料も高いリボ払い
リボ払いのもうひとつの特徴は、「手数料が高いこと」です。年利10%前後は普通。返済スケジュールを自由に組むということは、それだけ金利という「反動」が強いものということができます。手数料が高いということは、それだけ購入した品物以外の費用がかかっているということ。
経営者にとって、支出の金額を管理すると同時に、その金額の内訳が何か、本当に必要な支出なのかも重要な把握事といえます。
リボ払いを選択する利用者の多くは、「クレジットに手数料がかかるのは仕方がないこと」という認識を持っています。それもリボ払いが人気のあるひとつの理由となっているのでしょうか。
クレジットカードは、会計担当役員に預ける
本稿でも何度か繰り返していますが、かといっても経営者は適切な支出によるチャンスロスだけは避けたいもの。そのジレンマを解決するひとつの方法は、「事業用のクレジットカードやデビットカードを、会計担当役員に預けてしまう」という方法です。
そうすることで、社長の意思決定から一呼吸置いてリボ払いをはじめとした月賦融資を行うことができます。法人において会計担当役員、いわゆる「金庫番」は、社長と確固たる信頼を築いている場合が多く、また社長に対して堂々とモノを言えることの多い金庫番は、クレジットカードを預けるには適切な存在。
クレジットカードは会計担当役員に預け、社長が常に向き合わなければならない経営のプレッシャーが無駄な支出と手数料に消えることのないよう、監視して貰うようにしましょう。
リボ払いにもメリットがあり、問題は合わせて生じるデメリットをどこまで適切に管理できるかです。
経営者がリボ払いをうかつに活用して、会社を傾けさせないために。いくつかの注意ポイントや工夫点がリボ払いには存在します。
しっかりと向き合うようにしたいですね。
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