財形投融資とは?
財務省が主導になって行われる融資制度
財政投融資は数ある公的・民間の融資制度の中でもかなり特殊な部類に含まれる制度です。簡単に言えば政策的な事情から資金提供や支援が必要になったケースに対して融資を行う制度のことです。その性格上、国民に広く利益がもたらされる状況に対して融資が行われること、そして融資額がかなり高額になることが大きな特徴となっています。
2000年頃から景気対策の名のもとでさまざまな取り組みが国によって行われています。その中には長期間の固定金利や低金利の融資制度なども少なくありません。こうした制度は利用する側にとっては非常に有利で便利な一方、融資を行う側としては安定して資金を調達し、融資と回収を続けられる環境が求められます。場合によってはなり高額の資金が必要になるケースも多く、民間の企業の資金力では対応が難しいケースも少なくありません。そんな時に政策的な視点から公的資金を投入して融資を行うのが財政投融資なのです。ですからわたしたち一般の国民が利用する融資制度ではなく、また一般企業も直接融資を受ける機会がない制度ということになります。
具体的なところではやはり日本政策金融公庫などが代表例として挙げられるでしょう。中小企業やベンチャー企業に対して積極的な公的融資を行っているこの公的機関のお金はどこから出ているのか、金融市場からの自己調達といった手段もありますが、この財政投融資も重要な供給源となっています。ですから一般企業が直接関わる機会はないとはいえ、経済・産業の発展・安定化において非常に重要な役割を担っている制度といえます。他には学生支援機構や産業革新機構、地方公共団体などにも融資を行っています。
財政投融資の定義と変遷
財務省ではこの財政投融資の定義を設けています。まず独立採算で税金の負担を拠っていないこと、さらに国債などの発行によって調達した資金を財源としていることです。つまり公的融資の一種とはいえ、税金を直接投入しているわけではない、ということになります。また、かつては郵便局の貯金や年金を財源として融資を行っていましたが、平成13年度の改革によってこの点は廃止されています。
これまで挙げてきた公的融資のほか、政策的な必要性が伴う大規模なプロジェクト、あるいは数十年単位で継続的に資金の投入が求められる長期プロジェクトにおいても財政投融資が活用されています。国が行っている世の中にお金を回すための大規模な融資制度、といってもよいかもしれません。
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